🕊話し手が寝ながら息してねとリクエストするペンテコステの教話🕊

みなさん、聖霊降臨日おめでとうございます。

普段祈る、「父と、子と、聖霊のみ名によって、アーメン」この短い祈りも、実は、父と、子と、聖霊である神様が一緒にいてくださるというとってもふか～い言葉ですね。簡潔ですが、神様は、徹底してこのわたしと一緒にいようとしてくださっているということを、わたしたちクリスチャンが十字架のしるしをからだに刻みながら、思い起こす祈りです。

きょうは、そんな、神様は徹底してわたしたちと一緒にいようとしておられるのだというお話をしたいと思います。

途中でゆっくり息をする黙想の時間もとりたいので、どうぞリラックスして聞いていただければと思います。近くにベッドがある方は、カメラオフであおむけに寝ちゃってもだいじょうぶです。

ヨハネによる福音書20：19～23

イエス、弟子たちに現れる

その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしに、わたしもあなたがたを遣わす。」そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」

今夕の福音書では、イエス様が息をふきかけられるシーンが出てきます。息をかけるなんて、とても近くによらなければできないですよね。わたしたちは今、おそれの中にあってとりわけイエス様との親密な関係を必要としています。

そしてイエス様は父が遣わしたようにあなたがたを遣わす。と宣言されます。自分たちが安全なところにいるのではなく出かけていくようにと背中を押してくれるのが、ペンテコステの出来事です。父が遣わしたように、というのはイエスご自身が経験されたことで、わたしたちの方からクリスチャンにしてくださいとかふさわしいのですと自己推薦したりお願いする以前から届く、いわばエントリーシートも出していないのに届く神様からの合格通知です。その根拠は自分にこんないいところがあるからとか資格があるからではなく、わたしたちを愛されるが故の、存在の底からの呼び出しです。

わたしたちはなにをするために遣わされているのでしょうか。だれかに、神様を信じないといけませんよとキリスト教を教え込むためではないでしょうね。神様のやさしい愛を運んでいき、伝えることです。マザー・テレサは、これを電線に電気を通電するというユニークなイメージで語りました。ろうそくの炎をほかのろうそくに移していくイメージで語った人もいます。伝わっていったものは、わたしたちのもとから消えることもなく、拡がっていくのです。

イエス様は罪をゆるす権限をお与えになりました。その意味するところは、あなたのこういうところがよくないから行いをあらためなさいとか言うのではなく、それぞれの人が縛られている束縛、苦しみから自由になれるように助け、祈るということではないでしょうか。時にはクリスチャンであっても神様から大切におもわれいとおしく思われているということが信じられない人がいますね。そんなところにイエス様は空の上から魔法の杖でえいやっとやるのではなくて、人が出かけていくことをお望みになりました。

人と人のつながりのいいところは顔や声や話でそのひとを大切に思っていることが伝えやすいことです。神様はご自分の愛を、時に直接、そしてしばしば人を通じてあらわされます。わたしたちは神様のやさしい愛、そして炎のように熱い想いを運んでいくように望まれました。それは、なんとしてもあなたを失いたくない。あなたとどんなときも一緒にいたいというお望みです。わたしたちはその熱い想いを、自分の置かれた場にいる身近な人々のところに運んでいき、つなぎます。そのために必要なのはまず自分が愛されていると実感することが必要ですね。

きょうはとても大切な日なので、わたしはゆうべは特別なスキンケアもしちゃいました。この場では伝わらないですけど。

わたしは、祈りはこころのスキンケアなのだと思います。わたしたちが日々抱えている事、感じている事を神様にお預けしてリムーブしていきます。これがこころの洗顔。それから、み言葉やお恵みをチャージして、こころを保湿していきます。これを別のイメージでとらえることもできます。それは呼吸です。息は出ていって、そして入ってきます。それはいつもは気にしていないけれど、本当は毎回毎回新しい営みなのです。

聖霊はご存じのように息や風と同じことば。いまこうして座っていても、息はたえず出て入っています。

日々、みなさんはいろんな息のしかたをしています。ドキドキハアハアするときもあるし、ふつうの時は息をしている事を忘れているなんてこともあります。なので、ここで一回、息を意識してみましょう。さぁ、リラックスタイムです!

みなさんが好きな色をひとつイメージしてください。

イメージできたでしょうか。

まず吐き切ってから、吸ってください。

ご自身に恐れを与えているもの、疲れを吐き出して神様のやさしい腕にあずけてください。空気の中にもわーっと出ていったそれはもう帰ってくることはありません

吸ったら、好きな色の空気がきらきらと体の中にはいり、足先や指先まで満たしていくイメージをしてください。

創世記でその鼻に息を吹き入れられたと言っているように神様はたえずいのちを吹き込んでいまこの瞬間わたしたちを生きるものとして創造しつづけています。

何度かゆっくり呼吸しましょう。

…では、あと一回吐いて吸ったらまたお話します。

きょう、詩編はわがままを言って139編を使わせていただきました。

今祈祷書をお持ちのかたは、とくに906頁をご覧いただきたいのですが、

どこに行けばあなたの霊から離れられるのか

どこに行けばあなたの顔を避けられるのか

天に上っても、あなたはそこにおられ

よみに下っても、あなたはそこにおられる

と歌っています。

とても美しい言葉だと思います。

神様はどうしてもわたしたちひとりひとりを離れたくないのです。徹底してともにいてくださるのです。天地をつくり、わたしたちを束縛から解放し、愛した神様は、イエス様がからだをもって地上にいなくなっても、どうしてもわたしたちと一緒にいたいから、聖霊として人のうちに宿ってくださいます。

イエス様はすごいですね。からだがあったら救い主のいるところといないところ、会える人と会えない人ができてしまうけれど、任期満了！って天国に帰っちゃったんじゃなくて、もっと豊かなまじわりを用意してくださった。

聖霊来てくださいなんて、歌うけれどほんとうは聖霊なる神様はずっと一緒にいてくださっているのです。いのちの息は毎呼吸ごとに吹き入れられています。わたしたちがそれを感じられなくなってしまうのは、たとえば太陽はずっと地上を照らしているのに、おそれや悩みの雲がかかって、雨がふっているからです。雲のうえには晴れ渡る空があります。聖霊来てくださいという祈りは、太陽ができてくださいというより、雲をとりはらってくださいという祈りに、わたしには聞こえます。聖霊、いてくださっていることに気づかせてください。まぁ、これだと歌にしたら語感があまりよくないですが。

詩編139編は、「神よ、わたしを調べ、わたしの心を知ってください　わたしを試し、わたしの不安な思いを知ってください」と歌います。

たえずいのちの息をふきいれられ、わたしたちのからだを神殿として住んでくださる神様が、この不安な時代を生きるわたしたちの思いを知り、守ってくださるようにと、祈りをつづけてまいりましょう。

父と、子と、聖霊のみ名によって。感謝します。アーメン。

P.S.以前教話をUPした際に、話の最初と最後の父と、子と、聖霊のみ名によって。は教役者だけが使うものではないか、とのご指摘をいただきましたが、詳しい人に聞いたら全然そんなこともなかったのと、クリスチャンがなにかをするときの立ち位置確認だったり、祈りを開いたり閉じたりするのにあたってこれほど適した言葉はないという思いから、使用させていただいています♪