保湿クリームのような祈りをしよう

Peaceful Lent.

Megです。

みなさまどんな　大斎節、四旬節、受難節をお過ごしでしょうか。

肉食を控えたり、お食事を少なくするなどの節制に励まれている方もあるでしょう。

わたしの所属している教派ではそうしたことはそれぞれの判断に任されており、愛の行いや祈りにかえることもできます。なのでわたしは感謝をもってお肉もたべます。

東京ではコロナの影響で、教会にみんなが集まってささげるお礼拝が依然お休みの状況が続いています。

寂しいですが動画配信などを通して普段行かない教会やほかの司祭さんのお説教に接することができるのは、便利でもあります。

そんな中、今日はビデオ通話で青年同士でお話しする機会に恵まれました。

ずっと続いている企画で、今は昼食を食べつつ、マルコによる福音書を少しずつ通読して、思いめぐらして、シェアしています。

なんときょうあたった箇所は、明日の日曜日の礼拝に使われる箇所。

なので、わたしが思いめぐらしてシェアしたこと、参加していた司祭さんのお話していたことを分かち合いたいと思います。

マルコによる福音書８章31節～38節

イエス、死と復活を予告する

それからイエスは、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日の後に復活することになっている、と弟子たちに教え始められた。しかも、そのことをはっきりとお話しになった。すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。イエスは振り返って、弟子たちを見ながら、ペトロを叱って言われた。「サタン、引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間のことを思っている。」それから、群衆を弟子たちと共に呼び寄せて言われた。「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである。人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、なんの得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。神に背いたこの罪深い時代に、わたしとわたしの言葉を恥じる者は、人の子もまた、父の栄光に輝いて聖なる天使たちと共に来るときに、その者を恥じる。 

 聖書はかめばかむほど味の出る書物だと思っているので

思いめぐらすことはたくさんあるのですが、

わたしが特に考えさせられたのは、イエス様がはっきりと、死に向かっていくことを教えられたということ、そしてイエス様のことを恥じる人はイエス様にも恥じられてしまうという厳しい言葉です。

はっきりと、死というご自分の運命を自覚されていたイエス様。

弟子たちは、イエス様が、ときの権力者になり、自分たちも偉い人になりたいと思っていたのかもしれません。いわば、キラキラで「映え」な人生を共にしたかった。

イエス様の本当の想いに、気づいていなかった。イエス様は「こんなにいっしょにいたのに、わかってくれていないのか」とさびしかったかもしれません。ペトロを叱るときに、まなざしは弟子たち皆に向けられていました。

わたしが思い出した情景があります。

それは、大学でドイツに留学したときのこと。一緒に行っていた同じ大学の学生さんたちと、現地の教会に入りました。「わー教会って入るの初めてだな～」という彼女たちの声に、クリスチャンの私は顔をほころばせました。そんなとき、「ねぇ、なんであんなかわいそうなの飾るの…？」と言われました。その指のさししめす先には、イエス様の磔刑像。

わたしは悩みながらも、こう答えました。

「今言ってくれたように、あれはとてもかわいそうで痛ましい姿だよね。キリスト教で信じている神様は、人の世界のもうさいあく、ダメだと絶望するようなところに、徹底して降りてくる神様なんだ。」

キラキラして映えな人生ばかりじゃないけど、その現実にずっと寄り添ってくれる神様を信じているのだと、自分でも思いを新たにした出来事でした。

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今日、Megをビデオ通話で見た人が、Megは落ち着いているし、怒られることとかなさそう。と言っていたのですが大間違い。わたしはしょっちゅう母に怒られています。皿洗いなさいとか部屋掃除しなさいとかくだらないことだけど、けっこう怒られています。

なので、そういうわたしのしょうもないところを知っている家族に、イエス様の話をするのがとてもハードルが高い。

イエス様の名前を出すのがなんか立派っぽくて恥ずかしい、そう思っていました。

でもはっきりここで言われちゃっています。わたしも恥じられてしまうんだ、と。

わたしも恥じられてしまうのはいやだなと思いました。

そこで、青年の仲間たちと考えてみました。

職場でクリスチャンって言える？いや～。言ってないな～。とか。
わたしは思ったのです。立派だから、イエス様のことを宣べ伝えるんじゃなくて、

だめだから、しょーもないから、イエス様に頼るんだよね。と。

クリスチャンです！と宣言するのは、わたしは綺麗で品行方正な人です、という意味ではない。イエス様に生かしていただくことなしに、生きられないんだという謙遜な告白をすることなのではないかと。

ペトロにイエスは「サタン、引き下がれ」と叱責されますが、これはどっか行けという意味ではなく、「わたしの後ろに行け」という意味の言葉が使われているそうです。クリスチャンは、イエス様に前に出ていただく人たちなのですね。

わたしが思いめぐらしたのはこの二か所でしたが、加えて司祭さんが、明日Youtubeでここの部分の説教をされるそうなので「この、十字架を背負ってわたしに従いなさいってどう思う？」と質問されました。

わたしは、ここの箇所のことを洗礼を受けたての高校生のときに考えていました。

ここは「自分の人生史のネガティブな部分を背負って、イエス様を信じること」って理解されがちだと思っていました。

それよりも十字架はイエス様の「不運な結末」「ネガティブなもの」ではなく、人々を救う「使命」だったのではないか。

と思ったので、「自分の使命を背負って、イエスに従うということだと思っています」と答えました。

でも青年たちは？？？「わたしの使命が何か、わかんないんだよね」。

「使命として、奉仕したとか、これをやった、あれをやったって言うのは、なんか違う気がする。」

たしかにな～(´・ω・`💦)

司祭さんは答えました。「十字架はヘビーなものというよりも、あれをやらなければわたしは褒められないというところから解放し、むしろ自分を軽やかにしてくれるものなんだよ。」

この言葉をしばらくどういうことだろうなとかみしめていました。

人間の尺度で生きているとき、業績が、成績がいいことがその人の価値のようになり、ジャッジされ、区別されていく。そんな中で「ここまでやり遂げないとわたしは褒められない」とどんどん追い詰められていく。

教会の中でさえ、「わたしはこれとこれでご奉仕しているのに、アナタは？」と言われることさえある。（あるんですよ悲しいことに。）

違う。十字架は、わたしたちのために身をささげるほどの神の愛なのだ。

人が人をさばくこの世的な基準から、自由にしてくれるものなのだ。

そう思いました。

例年、わたしは大斎節のときにうつうつとした気分になっていました。

なんか暗ったいし、イエス様は死んじゃうし、かわいそうだし。と。

母も、「こないだクリスマスで生まれたと思ったらもう死んじゃうね」とか言っています。

でも、この季節は神様の深い愛を、身にしみわたらせていく時期なのだと思うのです。

そして、「自分はこうじゃないといけない、あそこまでやり遂げないと褒められない」とトゲトゲする気持ちを、いったん解き放って、ケアしてあげる時間だと思うのです。

イメージは、がさがさのお肌にクリームいっぱい塗って保湿してあげるみたいな。笑

なんかトゲトゲしてるやつにクリームぬって鎮めてくCM映像ありません？（圧倒的語彙力の敗北。通じるだろうか・・・）

いつも以上に、熱心に祈る時期とされるこの季節。

これくらい聖書読まなきゃ、祈らなきゃとタスクをこなすかのように血眼になるのではなく

神様の愛を実感するためにゆっくり時間をかけていく

そんな祈り方をしたいと思います。

ではでは✋

主の平安がありますように。